2024年10月1日に毎日新聞に投稿された「追い出し部屋」の報道を受け、北海道大学教職員組合からこの報道にかかる事実確認や経緯の公表を求める要望書を北海道大学に対して提出しました。
2024年10月17日
北海道大学
総長 寳金清博 様
北海道大学教職員組合
執行委員長 清水池義治
本学理学研究院化学部門における複数の「追い出し部屋」報道に係る対応の要望について
2024年5月9日付けの毎日新聞の記事で、本学理学研究院化学部門の複数の准教授に学生が配置されず、さらに当該准教授らを本学がいわゆる「追い出し部屋」に追い込んだとされる報道がなされました。このことについて本組合は2024年7月3日付けの質問書を提出し、大学から2024年7月25日付けで回答書を得ました。
この回答書において、理事名で「部局長等連絡会議において、部局長に対して、教員の教育研究環境の悪化につながりかねない、社会から疑念を抱かれるような取扱いが行われないよう、今一度部局内の取扱いについて確認するとともに、教員が安心して教育研究に専念できる環境を提供できるよう、引き続き適切な管理運営に努めるよう要請した」ことと「今後、引き続き理学研究院と情報を共有しながら、同研究院において適切な対応が講じられるよう、大学として必要な対応に努め」るとすることが回答されたことから、本組合では大学が報道に係る事態の収拾を図るものとして状況を注視しておりました。
そのような中、2024年10月1日付の毎日新聞の記事で、さらに新たに理学研究院化学部門の助教に対する学生不配置と「追い出し部屋」へ配置されたとされる報道がなされました。この報道に関する事実確認を本組合はまだ大学に求めておりませんが、本組合においても報道内容と矛盾しない教員の異動や論文の著者名の記録等を確認しており、10月1日付けの報道内容が事実に基づいた可能性が高いと判断いたしました。
既に5月に報道された内容について一部事実であることは上述した回答書でも確認されておりますが、立て続けに行われた報道も事実である場合、それは不当に処遇された教員が化学部門にさらに他にいたことに加え、そのような事実が全国紙である新聞で報道されたことにより、対外的に本学の名誉と信用は著しく失墜したものと言わざるを得ません。本組合ではこのような複数の報道に際し、北海道大学が可及的速やかに対応を講じてその経緯等を学内外に公表すべきであると考え別紙のとおり本件報道に係る対応を要望いたしますので、速やかに対応願います。
本学理学研究院化学部門における複数の「追い出し部屋」報道に係る対応の要望
- 北海道大学は毎日新聞等で報道された「複数の准教授」及び「助教」(以下、「本件教員」という。)の理学研究院化学部門における処遇や同部門講座委員会等が行った決定について、速やかに事実確認を行うこと。
- 事実確認により明らかとなった本件教員の処遇について、大学としてその正当性を確認すること。
- 本件教員に対する処遇が不当であると確認される場合に、速やかにそのような処遇を撤回して本件教員に正当な処遇を与えることを指示するとともに、そのような不当な処遇を与えるに至った原因の究明と再発防止のための策を大学として講じること。
- 以上の要望について理学研究院化学部門や同部門講座委員会が対応を拒むか充分な対応を行わない場合に、大学当局は「部局自治」を言い訳とせず、理学研究院長と協働して実効性のある対応を理学研究院化学部門や同部門講座委員会に対して行うこと。
- 以上の対応について、大学は学内外に経緯や対応方法を公表し、本学及び理学研究院の名誉及び信用の回復に努めること。
(要望書のPDFファイルは下記画像をクリック)
本要望書について、既に新聞報道がなされました。